2013年7月1日の改正により、事業家・投資家ビザの各種条件が変更となりました。そんな中、スキル移住による永住権取得が大変難しくなった現在、新たに注目を受けているのがサブクラス457のビジネスビザです。
基本的なアプローチとしましては、永住権申請を直接行うのではなく、サブクラス457ビジネスビザのビザをまず取得し、新事業を設立、運営し、その後事業の業績をもとに永住権の申請を行うというものです。一つとしては、それにより申請可能となる職種が格段に増えること、それから新事業を行う準備にとりかかる目処が立てやすいという点にあります。
そのため、ご紹介するビザとしては下記の3タイプのビザとなります。
・サブクラス457 ビジネスビザ
・サブクラス186 雇用主ノミネーションスキームビザ(ENS)ビザ
・サブクラス187 地域スポンサー移住スキームビザ(Regional Sponsored Migration Scheme – RSMS)ビザ
その他、投資家・事業主ビザという選択肢もありますが、そちらにも興味をお持ちの方は別途当事務所までご連絡ください。
このビジネスビザ申請にはスポンサーとなる雇用主が必要となります。スポンサーは、ビザ保持者が
オーストラリアに滞在中の保護者の役割もすることとなり、Sponsorship Undertakingというスポンサーとして厳守されなければならない条件が課せられます。
従って、案件をお受けする際に、当初は以下のような必要手続きの準備を行います。
- オーストラリアの会社設立
- 新事業の各種業務提携契約の手配ならびにビザ申請者の雇用契約書作成
- 雇用主側のスタンダードビジネススポンサーとしての認可取得のための申請
- 雇用主側の指定職業における外国人雇用者を雇う認可取得のための申請
- ビザ申請者のビジネスビザの申請
ビジネスビザスポンサー
雇用主となる新会社が外国人を雇用するのに問題のないスポンサーであることを証明することが、まず必要となります。そこで、第一に雇用主がスタンダードビジネススポンサーの認可取得のため以下の事項を満たす必要があります。
- 雇用主のビジネスがオーストラリアで合法的に経営され、評判のよいビジネスを営んでいること。
(新規事業の場合には合法的なビジネスが営まれる予定であること。) - 一時滞在労働者の入国がオーストラリアに利益をもたらすものであること。
- スポンサーが直接雇用主であること。
- オーストラリアの移民法に従っていること。
雇用主側がスポンサーとしての認可を受けるために、満たさなければならない条件の主なものは以下の通りです。
- 問題のないビジネスを経営していること。
- 金銭的に十分に外国人労働者を雇える資金力があること。
- 移民局の発表する職種リストに記載されている職種において、外国人労働者を雇うこと。
- 業界平均収入以上の給料を支払い、その平均が移民局の定める規定給料額以上であること。(オファーされている職種において、オーストラリアでの現在の平均収入が$53,900を超えていることが必要です。この金額にスーパーアニュエーション、ボーナス等は入れることができません。)
- オーストラリア国内より、適した人材を見つける努力をしていること。(2013年11月23日の法律改正により、Labour Market Testingと呼ばれる労働市場調査が必要条件となりました。LMTによってオーストラリアの労働市場から適した人材が見つからなかったことを証明しなければいけません。)
- これまでにスポンサーとして問題がなかったこと。
- 外国人労働者を雇うことによって、オーストラリア社会に貢献ができること。オーストラリア社会への貢献として認められるものとして、下記のものがあります。
i. オーストラリア人の雇用拡大に繋がる。
ii. オーストラリアの産業拡大。
iii. オーストラリアの国際市場の会計強化。
iv. オーストラリア市場内における競争の助長。
※2013年7月1日の改正以降、新規ビジネス(事業開始から12ヶ月以上経っていない事業)による申請の場合には、最初のビザの期限は1年となります。そのため、新規ビジネスの場合には1年後の業績をもとに再度申請を行う必要があります。
- 必要な資格ならびに経歴を持っていること。
- スポンサー会社と、雇用契約を結んでいる、またはビザ申請の結果によって結ぶことができること。
- 違法滞在等、過去にビザ上のトラブルがなかったこと。
- 健康状態に問題のないこと。
- 最低限の英語能力 - 現段階ではIELTS5以上の英語レベル、または指定職種での仕事をするために登録、ライセンスの取得が必要とされる場合、その登録、ライセンス取得に必要とされるレベルの英語力が必要とされます。特例として、年収$96,400以上の給料が支払われる場合においては、英語力の証明は必要ありません。
ビザ申請
ビザ申請者が満たさなければならない条件としては下記があります。